高齢者テニス講習会

小関 敬

台風20号の影響か朝から雨が降ったり止んだりの中、平成30年8月24日松園テニスコートで実施しました。22名(男子14名女子8名)コーチに麓さん、浅沼さんに加えて神さんが参加してくれました。ジョギング、準備体操を行いました。

1  打法の基本

     打つ前の準備、フットワーク、フォアなら上半身を少し右に少し捻る(右利き)ことや足を動かす。(ジャンプ、踵を上げる等自分なりに)

2   スローボールテニス

     高い弾道で強く打たない(自分フォー  ムを崩さないでスイングスピードの変化

   で )     年齢が上がる程強い球が打てなくなります。

  3   ノーマンズランド(デッドラインサービスラインとベースラインの間)が最適の位置

  .   後ろに走らされるのを防ぐ(ボレーの方が楽)

4     ダブルス練習ドリル(3対3)

    球だし側の2名はボレーの位置、レ シーブ側は2名がベースライン1名はサービスラインのセンターに立つ。

     球だし側のボレーヤーはセンターの足下に打ったり後衛やコースを考えて行う。又球だし側のボレーヤーは自分での後衛が打つ時は前に出る、相手の後衛が打つ時は下がる動きをする。

     丁度12時に本降りになり(コーチは二時間のドリルでした。) 感想、質問はできませんでしたが無事終了しました。           

 

「スローボールテニス」ノススメ

スローボールでフットワークや技術・戦術を再確認してみましょう!

岩手県テニス協会 ベテラン委員会委員長 麓隆一

 

はじめに

 今回は「いつでも、どこでも、だれとでも、いつまでも」テニスを楽しむために生かせそうな、一つの練習法を提案(紹介)をします。

 今年度の高齢者テニス講習会の主な内容は

 ①ボールを打つ時の留意点

 ②スローボールテニス練習の紹介

 ③ノーマンズランド(デッドゾーン)の活用

3つでしたが、今回は、②と③の練習をメインに話をさせていただきます。

 「スローボールテニス」という呼び方は、久保田貴敬さんという方の指導論文からの引用です。私にとっては初めての言葉でしたが、初心者を対象としたテニス指導ではよく行われている指導法だと思います。

 

  それでは、講習の実施順に項を起こして説明したいと思います。

 

1、ボールを打つ時の留意点について

 毎回述べていることですが、

①正しい姿勢

・背筋を伸ばし、両肩を水平にして、頭(視線)がぶれないような姿勢を心がけましょう。

②脱力

・体の緊張を解き、体全体がスムーズに動かせるようにしましょう。

 

2、スローボールテニスの練習について

  スローボールテニスの練習は、次のようなゲーム形式の練習です。

 ①  わざとフワフワとした自分の身長の倍ぐらいの高さのボールで打ち合う。

  *フワフワしたボールとは、小手先だけでボールを打つのではなく、フォームは通常のままにして、ラケットのスイングスピードを落とし、スピードを遅くしたボールのことです。(*「決して速いボールを打たない。」という約束で練習します。)

 ② 相手を前後左右に動かし、揺さぶりをかけ、相手のミスを誘ったり、オープンコートにボールを運びエースをとったりします。チャンスボールでも、相手のいないところに、スピードを落として丁寧に打ちます。

    

 この練習で、次のようなことを練習したり、確認したり、修正したりすることができます。

  ①フットワークの練習ができる。

②しっかりとボールを見ることができる。

  ③自分が動く時間ができ、ポジションの確認や修正ができる。

  ④主にボレーのインパクトの確認や修正ができる。

  ⑤ボールを打つ時の姿勢の確認や修正ができる。

  ⑥ていねいに打つことにより、雑なプレーを防ぐことができる。

   

フットワークに自信のない人でも、体に無理をかけずに技術面を確認・修正したり、戦術面を修得したりできる、シニアにとってはもってこいのドリルです。

ダブルスは4人なので、一人1回ずつのサービスで4ゲームを行うのがよいでしょう。

   もちろん、サービスもフワフワですので、レシーバーは、より深く打ったり、短く打ったりすることができ、相手を揺さぶることができると思います。 

   しかし、ボールが遅いからといって、体の動きも遅くしないようにしましょう。コースが分かったら、素早く移動し、止まって、余裕を持ってボールを返球して下さい。

速いボールで打ち合えるレベルの人でも、実際のゲーム前に4ゲームだけでも、練習としてやってみたらどうでしょう。なかなかポイントが決まらず、脚力強化の練習になるかもしれませんね。

練習の中で「ハードヒットしたい」という場面もあるかとは思いますが、ぐっとこらえて練習してみて下さい。

そして、スローボールテニス練習の後、普通にゲームをしてみて下さい。フワフワしたボールのスピードを少し速めるようにすればOKです!

みなさんの技術面・戦術面で、何かしら良い変化が現れるような予感がします。

 

 3、ノーマンズランド(デッドゾーン)の活用

 

   ノーマンズランドとは、言わずと知れた「決して立ってはいけない領域」ですね昔はテニスの教科書には必ず載っていたものです。

   しかし、シニアテニスを考えると、この領域でテニスが展開できれば、ベースラインにいて前後左右に走る(走らされる)よりも移動距離が短くなり、エネルギー消費が少ない(疲れない)とも言えます。

   今回の講習では、ロングボレーの練習もやってみました。結果的には、ネットから離れた遠めの位置からのハーフボレーやローボレー、ロブボレーも混ざった練習にもなりました。    ある本には、ベースラインから数歩前がベストポジションと書いてあります。また、2のローボールテニスの練習とも密接につながりますね。この領域からの打球は、ネット際のボールに比べて、打球の速度を落とす必要があります。強打によるミスは控えなければなりません。

   ゲームでの活用としては、後ろ(ベースライン後方)に下がらずボールを処理するので、相手の時間を奪い、エースをとったりミスさせたりすることができます。

   この領域を活用するためには、御存じのとおり、色々なボレーの習得が必要です。色々なスピードや高さのボレーを練習する機会を増やしてください。「習うより慣れろ」で段々と守備範囲が広くなってくると思います。陸前高田の初心者クラブ(週1回)では、練習開始時には必ずボレーボレーを行います。週1回でも、何年も続けていますので、女性の方でもボレーへの苦手意識はありません。

   一般的なボレーでの大きな課題は、「バックボレー」です。利き手側はどうにか処理できるのですが、バックに来ると対処できない場合が多いです。理想を言えば、薄いグリップ(コンチネンタル)でフォアもバックも、高いボールも低いボールも打てるようになればいいですね。

 

 おわりに

   テニスを楽しむため大事な事は、体の衰えを自覚しながらも、怪我をしないために「無理をしないこと」と「体を鍛えること」です。シニアの「体を鍛える」というのは、持久力ではなく「筋力」です。できれば、普段の生活の中で鍛えていければいいですね。私の場合は春~秋の草刈り機械でやる「草刈り」かな? 

   また、普段の練習ゲームでは、「入った、ミスした」と一喜一憂するゲームではなく、自分のイメージしたプレーができたか(例えば、「薄いグリップを練習中だが、それがゲームで使えたか?」「大事なポイントの時、入れることではなく、ボールを打つことだけに集中して打てたか」等)というゲームをしていくといいと思います。

 

 

 インターネットからの情報

一般的に、シニアテニスの課題として次のようなものが挙げられています。

 ①べた足で打球を待っている。

 *動き始めが遅れ、ボールを打つ時間が十分取れない。

 ②体の軸(体幹)がない

 *姿勢が不安定なため、頭が上下して視線がぶれ、ラケットの芯に当たらない。

③利き腕だけでラケットを持っている

 *利き腕だけでなく、体全体に負荷がかかったり、バランスが崩れたりする。

 ④グリップチェンジをしない

 *多くは、フォアハンドのグリップですべてのショット(バックハンドやボレー、サービス等)を打っているので、手首に負担がかかったり、守備範囲が狭くなったりする。

 

 それぞれの対策として

 

①スプリットステップをしましょう。・・面倒なようですが、体はスムーズに動くようになり、ボールに素早く反応し、楽に打てるようになります。

 ②正しい姿勢(前述)で打ちましょう・・視線がぶれず、正しくヒットできます。

 ③両手でラケットを持つ習慣をつけましょう。・・利き腕の負担が軽くなるばかりでなく、体の捻りが楽にでき、スイングする時の力が生まれ、楽にボールが打てます。

 ④ショットに合ったグリップで握り替えをしましょう。・・手首の負担が軽減され、ショットの種類が増え、ボールを処理する範囲が広くなります。

 これらは、今テニスコートに立っておられるみなさんなら、体にやさしいテニスをするためのチャレンジとして一つでも克服できると、テニスは劇的に楽になると思います。

  

今は、スマホなるもので自分のフォームを簡単に録画できます。私事になりますが、2,3週間前に、テニスをする娘と一緒にフォームを録画し合いました。娘は、サーブで肘が下がり過ぎることがありましたが、改めて実感したようです。私は?・・企業秘密です・・が、フォアハンドの改良を40年間続けています・・自分の思っているようなスイングとは違いびっくりしました。「百聞は一見にしかず」ですね。65の手習いですが、やる気も沸いてきました。